家に小さな子どもがいる、ブランクがあるなどの理由で、外に働きに出るのを難しく感じている主婦は多いかもしれません。そんな中、今注目を集めているのが在宅ワークの仕事です。インターネットの普及にともない在宅ワークの種類は増え、自宅で働く人の数も増えています。では、在宅ワークにはどのような仕事があるのかを具体的にチェックしてみましょう。
主婦が在宅ワークを始めるメリット・デメリット
自宅で気軽に始めることができる在宅ワーク。フルタイムで働いている人が副業として利用したり、学生がお小遣い稼ぎをしたりなど、さまざまな人が在宅ワークを利用しています。しかし、その中でも主婦が在宅ワークを始めることには多くのメリットがあります。 まず、子どもと過ごす時間を増やすことができるという点です。外に働きに出るなら、そのあいだ子どもを保育園や幼稚園に預けなければなりません。子どもと過ごす時間が減るだけでなく、保育料もかかってしまいます。親に子どもの面倒を見てもらえる場合もあるかもしれませんが、子どもと一緒に過ごす時間が短くなってしまう、という点では同じです。特に子どもが幼ければ、できる限り一緒にいてあげたいと思う人は多いでしょう。子どもを預けて働きに出た人の中には、子供の成長の過程をずっとそばで見ていたかったという人もいます。在宅ワークなら、外に働きに出るよりも子どもと過ごす時間を多くとることができます。子どもの面倒を見ながら、子供が寝ている時間などを利用して在宅ワークに励むことができるでしょう。 在宅ワークのほとんどは、時給制ではなく出来高制です。時間に縛られることがなく、自分のこなした仕事の分だけがお金になるのです。そのため、仕事の量を自由に調整できるというメリットもあります。主婦であれば、子どもの幼稚園や学校の行事や、子どもが急に熱を出したなどの理由でいつもより仕事ができないこともあるでしょう。そんなときも、在宅ワークなら都合に合わせて仕事の量を調整することができます。反対に、自由な時間が増えたときには仕事の量を増やすこともできます。勤務先に休むと連絡を入れたり、代わりにシフトに入ってくれる人を探したりする必要もありません。 在宅ワークのもう一つのメリットは、収入を得られるので金銭的に余裕ができることです。家事や育児に忙しい主婦でも、すき間時間をうまく利用してお金を得ることができるのです。たとえ毎日の作業が少しずつでも、積み重なればある程度の金額になるでしょう。家計を考えて節約をする主婦も多いですが、在宅ワークの収入があれば家計の足しになります。家族の将来のために、貯蓄に回すことができるかもしれません。 メリットいっぱいの在宅ワークですが、デメリットについて知っておくのも大切なことです。事前にデメリットも知っておけば、在宅ワークを始めてから「思っていたのと違った」と感じてがっかりしてしまうことはないでしょう。 デメリットの一つは、在宅ワークの種類によっては自分で仕事を探す必要があることです。それは「クラウドソーシングサイト」を利用するような在宅ワークです。クラウドソーシングサイトとは、仕事を依頼したい人と仕事をしたい人を結びつけるインターネット上のサービスです。在宅ワークを探すのに便利ですが、そのサイトには膨大な量の案件が掲載されています。それぞれの案件の仕事内容や報酬はさまざまです。その中から、希望に合った案件を見つけて応募するのには手間がかかります。また、継続して発注してくれるクライアントでなければ、一つ仕事が終わるごとに案件を探す作業をくり返さなければなりません。 また、そうした在宅ワークには責任を持つべき範囲が広いというデメリットもあります。パソコンが突然故障したり、停電したりして仕事ができなくなることがあるかもしれません。自分が病気になったり家族が熱を出したりすることもあるでしょう。外に働きに出ているなら、上司や同僚がカバーしてくれるものです。しかし、基本的に一人で作業する在宅ワークの場合は自己責任となります。納期をきちんと守ることができなければ、クライアントとの信頼関係を築いていくのは難しいでしょう。 他のデメリットとしては、仕事内容によっては相応のスキルを求められることです。WEB制作やWEBデザイン、翻訳、CAD製図などはある程度のスキルが求められる分野です。もちろん、高いスキルを持っていればそれに見合うだけの報酬を得やすいでしょう。しかし、そうした在宅ワークは初心者や未経験などであれば、かなりの期間、訓練を積まないと仕事ができるレベルに達することはできません。スキルを持っていても、スキルを証明する手立てがなくて仕事が見つかりにくいということもあります。 最後に挙げるデメリットは、在宅ワークによっては初期費用がかかることです。インターネットを利用して行う在宅ワークでは、ほとんどの場合パソコンが必要です。仕事に使うものなので、ウィルス対策のソフトはしっかりインストールしておかなくてはなりません。自宅にインターネット回線も必要です。もともと自宅にこうした環境が整っていればそのまま在宅ワークを始めることができますが、なければある程度まとまった金額の初期費用が必要になります。
初めてでも手軽に始めやすい在宅ワーク
在宅ワークに初めて挑戦するのであれば、手軽に始めやすい初心者向けの在宅ワークもあります。 初心者に向いている在宅ワークの一つは、「アンケートサイト」です。インターネット上でアンケートに回答することでポイントが付与され、貯めたポイントは現金やギフトカードなどに交換することができます。アンケートを始めるには、初めにアンケートサイトに会員登録をすることが必要です。アンケートは3～5問ほどの短いものが多いので、すき間時間を利用して始めやすく、スマートフォンでも回答することができます。通常は1アンケートにつき3円から30円、また、長いアンケートであれば数百円単位のアンケートもたまにあります。こまめにアンケートサイトをチェックしてコツコツ回答しないと、まとまった金額にはなりません。ただアンケートに回答していくだけなので難易度は低く、誰でも始めやすい簡単な在宅ワークです。 「ポイントサイト」を利用するという手もあります。ポイントサイトには、さまざまなネットショッピングやサービスが掲載されています。ポイントサイトを経由してショッピングをしたりサービスを申し込んだりすると、それぞれの利用金額や利用内容に応じてポイントが貯まるシステムです。ポイントサイトにはたくさんのコンテンツがあり、ショッピングやサービスの申し込み以外にも動画の閲覧やゲーム、広告クリックなどでポイントがもらえるものもあります。ゲームや広告クリックなどは毎日できるものも多いので、こまめにポイントサイトをチェックしてその日にできるコンテンツをこなしていくことがポイントを貯めるコツです。また、ポイントサイトの高額案件として知られているのはクレジットカードの新規申し込みやカードローンの申し込みです。こうした案件は、一つで数万円相当のポイントになるものもあります。とはいえ、個人の大切な信用情報にかかわるものなので、お金を稼ぐことを目的としてむやみに申し込むのは避けましょう。本当にそのクレジットカードやカードローンが必要なときには、ポイントサイトを通して申し込むと大量のポイントを獲得することができます。 「覆面調査員」という在宅ワークもあります。調査員と知られないようにして店舗へ行き、お買い物をしたりサービスを利用したりして調査をします。調査をする店舗は、飲食店や美容サロン、コンビニエンスストアなどさまざまです。化粧品のネット販売のモニターや食品宅配の調査など、自宅ですべて行うことができる調査もあります。覆面調査員を始めるには、覆面調査員を募集している専用サイトに登録します。登録すれば、募集されている覆面調査の案件に応募できるようになります。登録や調査の申し込み、調査レポートの提出などはインターネットを通して行います。調査する項目は各案件によって異なりますが、接客の様子やお店の清潔さ、味やサービスの質などです。決められた調査項目をしっかり押さえてチェックすれば、初心者にも難しいものではありません。いつも通っているお店をお得に利用できることもあるでしょう。お客様目線での自分の声を、企業に届けることができるというメリットもあります。ただ仕事の数は住んでいる地域により大きな差があり、いつもできる仕事ではありません。 在宅ワークとして、「フリマサイト」を利用する人もいます。家庭で不要になったものを出品して、売れればその代金が入ってきます。自分では「こんなもの売れるのかな」と思うものでも、ほかの人にとっては必要で、それを探していたということもあります。予想していたよりも高い値段で売ることができて、驚くこともあるかもしれません。いらなくなったものを捨てるのは後ろめたくても、売ってだれかが使ってくれるのであれば気持ちよく処分できるということもあるでしょう。注意したいのは、フリマサイトに支払わなければならない出品手数料や送料です。売れた金額がそのまま自分の手元に入ってくるわけではないことを頭に入れて、金額を設定しましょう。もちろん、売れるものが無い場合はできません。 昔からある手作業の「内職」も、自宅で始めやすい在宅ワークの一つです。シール貼りや縫製、袋詰めなど仕事内容はさまざまです。自分の得意な分野があれば、その内職の仕事を始めてみるのも良いかもしれません。好きな作業なので、没頭して仕事ができて楽しいという人もいます。得意分野ではなく初めは慣れない仕事だとしても、続けているうちにどんどん早くできるようになるでしょう。とはいえ、内職は基本的に大量発注で、たくさんの数をこなすことが前提です。そのため、一つずつの単価はかなり安く設定されていることがほとんどです。大量に仕事をしたのに、時給に換算すると200円や300円にしかならないということも珍しくありません。内職の仕事を始めるのであれば、1時間に何個できそうか、時給だとどのくらいになるか予想を立てたうえで、納得して始めるようにしましょう。
主婦でもしっかり稼げる在宅ワーク
在宅ワークに慣れてきたら、もっとしっかり稼げる在宅ワークを始めてみたいと思うようになるかもしれません。また、在宅ワークでまとまった時間を取れる人や、特定のスキルのある人なら、初めからしっかり稼げる種類の在宅ワークに挑戦したいと思うことでしょう。では、しっかり稼げる在宅ワークとはどのようなものなのでしょうか。 最初にご紹介するのは、「在宅のコールセンターの仕事」です。コールセンターというと、一つのフロアにオペレーターがずらりと並んで電話応対をしている様子をイメージするかもしれません。しかし、最近では在宅でできるコールセンターの仕事も増えています。自宅で電話をかけたり、かかってくる電話を受信したりする仕事です。静かな場所や安定したネット回線などコールセンターに適した環境が必要ですが、時間の融通がきくことが多いというメリットがあります。お客様のサポートをするコールセンターでは、初期研修やマニュアルがきちんと整っていることが多いので、初心者でも始めやすいでしょう。仕事中に生じる不明点を解決できるよう、チャットツールなど連絡手段が用意されていることがほとんどです。電話応対に必要なヘッドセットなどの必要な機材を貸し出してくれるところもあります。人と話す仕事なので初めのうちは緊張するかもしれませんが、慣れるにつれてスムーズに応対できるようになるでしょう。 在宅ワークでは、「ライティング」の仕事も人気です。ライティングする内容は、ドラマの感想や体験談といった比較的簡単なものから、FXや株式市場についてなど難易度が高いものまでさまざまです。文字数も数百文字の短いものから数万字と長いものまで幅があり、クライアントの要望に合わせて執筆します。タイトルや小見出しなどがすでに指定されていることもあります。ライティングでは一文字いくらという文字単価にもとづいて報酬が計算されるので、1時間あたりにライティングする文字数を増やすことが効率的に稼ぐコツです。ライティング初心者であれば、簡単にできる内容で文字数が少ないものから挑戦して、まずは文章を書くことに慣れていくと良いでしょう。慣れてくると、文字数の多いものや執筆前に調査が必要なものもこなせるようになります。それにつれて、文字単価もどんどん上がっていきます。文字単価は0.5円以下の安いものもたくさんありますが、難易度が高い案件は1円以上など文字単価が高めに設定されていることがあります。仕事を依頼してくれるクライアントによっては、スキルアップに応じて文字単価を上げてくれるかもしれません。文字単価が上がれば、同じ文字数でももらえる報酬の額は上がるので、しっかりと稼げるようになるでしょう。 他には「テープ起こし」の仕事があります。インタビューや会議、打ち合わせ、講演などで録音された音声データを原稿に起こしていく仕事です。クライアントから送られてくる音声データを聞きとり、パソコンで入力し文章にしていきます。録音データによっては雑音などが入り、非常に聞きとりづらいこともあります。案件によっては医療や法律などの専門用語が多数含まれていることもあり、苦戦するかもしれません。文脈の流れから正しい漢字を当てはめ、ふさわしい句読点の位置を決める必要があるため、国語力も必要です。しかし、その分スキルを活かして働くことができるやりがいのある仕事ともいえるでしょう。いつも同じ分野のテープ起こしをしていれば、その分野の知識を身につけることもできます。もちろん、かなりのタイピングスキルがないと安定した収入にはなりません。 在宅で「アフィリエイト」をして稼ぐ人もいます。ウェブサイトやブログを立ち上げ、それに広告を貼りつけ、その広告を誰かがクリックしたり購入したりしてくれれば収入となります。いったん基盤となるサイトを作れば、働かずに収入が入ってくる不労所得を得ることができると人気です。アフィリエイトを始めるには、ウェブサイトやブログの立ち上げや運営についての知識が必要になるので、知識が全くなければ最初のうちは難しいかもしれません。ウェブサイトをたくさんの人に見てもらうために、検索エンジンで上位に表示させるSEO対策についての知識も必要です。たくさんのアクセスを得るために記事をこまめに更新して、読者に継続してサイトを訪れてもらう必要もあるでしょう。しかし、上手にアクセスを集めてうまく購入や契約につなげれば、多くの報酬を得られる可能性もあります。サイトの運営や集客、セールスライティングなど幅広い分野のスキルを身につけることもできるでしょう。
避けるべき在宅ワークとは？
在宅ワークにはたくさんのメリットがあり、しっかり稼げるものもありますが、注意すべき点もあります。残念ながら在宅ワークと呼ばれるものの中には、詐欺まがいの危険なものも存在します。在宅ワークを探すときには、「誰でも簡単に稼げる」「たった数分の作業で数万円稼げる」といった甘い誘い文句にだまされないようにしましょう。そうした甘い文句には裏があります。在宅ワークで月に数万円は稼ぐことはできますが、初心者が数分で数万円稼げるような仕事は、ありません。 詐欺まがいの在宅ワークは、甘い文句で人を集めておき、さまざまな理由をつけて最初にお金を要求します。契約料や研修料、教材費、システム利用料などの理由です。そのために数万円から数十万円ほどを要求し、在宅ワークを始めれば高額報酬が得られるので初期費用はすぐに回収できるなどと説明します。その説明を信じて支払いをしたものの、仕事が紹介されない事例や、仕事が紹介されても全く稼ぐことができない事例が報告されています。実際に研修が行われたり教材が配布されたりすることもありますが、内容が薄くて役に立たないことや詐欺まがいの手法を教えられることがほとんどです。悪質なものだと、支払いをしたとたん連絡が取れなくなってしまうケースもあります。 「濡れ手で粟」のような在宅ワークはないということを、肝に銘じておきましょう。
主婦にとって働きやすい在宅ワーク選びを！
家事や育児に忙しい主婦だからこそ、自宅でできる仕事には大きなメリットがあります。在宅ワークにはたくさんの種類があるので、これまでに紹介した中から自分に合いそうな在宅ワークを選んでみましょう。在宅ワーク初心者で、すき間時間を有効的に使いたいならアンケートサイトやポイントサイトなどが便利です。しかし、もっと稼げる在宅ワークに挑戦したいのであれば、テレワークや在宅のコールセンターの仕事を検討してみましょう。テレワークとは、インターネットを利用することで場所や時間にとらわれずに柔軟に働く働き方のことです。中でも在宅のコールセンターの仕事は今後も大きな需要が見込めて、比較的給与も高く、時間の融通も利くのでしっかり稼ぎたい主婦にはぴったりです。こうした仕事を選べば、思いどおりのワークライフバランスで、今の時代に即した新しい働き方をスタートさせることができるに違いありません。
