最低賃金が28円を目安に引き上げられることが、7月14日中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)にて決定されました。
実現すると全都道府県で最低賃金が800円を超えることになります。そうすると自分の地域以外の賃金や引き上げがいつになるのか気になる方も少なくないでしょう。
今回は、現行の最低賃金と引き上げ後の賃金などを地域別にまとめ、賃金の格差などについてもわかりやすく解説していきます。
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・地域別の賃金が知りたい
・今後の賃金についての方針が知りたい
・最低賃金を気にせず在宅で高収入を得たい
【目次】
最低時給が過去最大の引き上げへ
全国平均は「902円から930円」の増加
最低賃金の全国平均は、2002年以降最大の引き上げとなり「902円から930円」に増加、10月以降全ての都道府県において28円の引き上げとなる見通しです。
引き上げ額の目安は、地域格差への配慮や都市部での雇用情勢の悪化を踏まえ、一律の金額が提示されました。
今後は「全国平均1000円」を目指す方針
最低賃金の全国平均が引き上げられる一方、地域格差問題の観点から日本労働組合連合会は、今後「全国平均1000円」を目指す方針としています。
現在、最も高い東京都と最も低い青森県や鹿児島県その他15県との金額差は233円。そのため賃金の高い都市部へ働き手が流出しているといった背景があるとしています。
最低賃金を地域別にまとめてみた
最低賃金の全国的な引き上げが大きな注目を集めているなか、現状の最低賃金と適用後の最低賃金は、一体どのような状況になっているのでしょうか。
地域 | 適用前(平均) | 適用後(平均) | 引き上げ幅 |
北海道 | 793円 | 822円 | 29円 |
東北 | 799円 | 828円 | 29円 |
関東 | 917円 | 945円 | 28円 |
中部 | 854円 | 882円 | 28円 |
近畿 | 883円 | 911円 | 28円 |
中国 | 823円 | 852円 | 29円 |
四国 | 800円 | 828円 | 28円 |
九州 | 799円 | 828円 | 29円 |
沖縄 | 793円 | 822円 | 29円 |
北海道の最低賃金
北海道の最低賃金引き上げ、適用前(現行)と適用後については以下の通りです。
地域 | 適用前 | 適用後 |
北海道 | 861円 | 889円 |
東北の最低賃金
東北地方の最低賃金引き上げ、適用前(現行)と適用後については以下の通りです。
地域 | 適用前 | 適用後 |
青森県 | 793円 | 822円 |
岩手県 | 793円 | 821円 |
宮城県 | 825円 | 853円 |
秋田県 | 792円 | 822円 |
山形県 | 793円 | 822円 |
福島県 | 800円 | 828円 |
関東の最低賃金
関東地方の最低賃金引き上げ、適用前(現行)と適用後については以下の通りです。
地域 | 適用前 | 適用後 |
茨城県 | 851円 | 879円 |
栃木県 | 854円 | 882円 |
群馬県 | 837円 | 865円 |
埼玉県 | 928円 | 956円 |
千葉県 | 925円 | 953円 |
東京都 | 1,013円 | 1,041円 |
神奈川県 | 1,012円 | 1,040円 |
中部の最低賃金
中部地方の最低賃金引き上げ、適用前(現行)と適用後については以下の通りです。
地域 | 適用前 | 適用後 |
新潟県 | 831円 | 859円 |
富山県 | 849円 | 877円 |
石川県 | 833円 | 861円 |
福井県 | 830円 | 858円 |
山梨県 | 838円 | 866円 |
長野県 | 849円 | 877円 |
岐阜県 | 852円 | 880円 |
静岡県 | 885円 | 913円 |
愛知県 | 927円 | 955円 |
近畿の最低賃金
近畿地方の最低賃金引き上げ、適用前(現行)と適用後については以下の通りです。
地域 | 適用前 | 適用後 |
三重県 | 874円 | 902円 |
滋賀県 | 868円 | 896円 |
京都府 | 909円 | 937円 |
大阪府 | 964円 | 992円 |
兵庫県 | 900円 | 928円 |
奈良県 | 838円 | 866円 |
和歌山県 | 831円 | 859円 |
中国の最低賃金
中国地方の最低賃金引き上げ、適用前(現行)と適用後については以下の通りです。
地域 | 適用前 | 適用後 |
鳥取県 | 792円 | 821円 |
島根県 | 792円 | 824円 |
岡山県 | 834円 | 862円 |
広島県 | 871円 | 899円 |
山口県 | 829円 | 857円 |
四国の最低賃金
四国地方の最低賃金引き上げ、適用前(現行)と適用後については以下の通りです。
地域 | 適用前 | 適用後 |
徳島県 | 796円 | 824円 |
香川県 | 820円 | 848円 |
愛媛県 | 793円 | 821円 |
高知県 | 792円 | 820円 |
九州の最低賃金
九州地方の最低賃金引き上げ、適用前(現行)と適用後については以下の通りです。
地域 | 適用前 | 適用後 |
福岡県 | 842円 | 870円 |
佐賀県 | 792円 | 821円 |
長崎県 | 793円 | 821円 |
熊本県 | 793円 | 821円 |
大分県 | 792円 | 822円 |
宮崎県 | 793円 | 821円 |
鹿児島県 | 793円 | 821円 |
沖縄の最低賃金
沖縄県の最低賃金引き上げ、適用前(現行)と適用後については以下の通りです。
地域 | 適用前 | 適用後 |
沖縄県 | 792円 | 820円 |
最低賃金は地域によって格差がある
最低賃金の見直しが予定されてはいるものの、地域によって格差が生じているため、日本労働組合連合会が目指す「全国平均1000円」は、まだ少し先の話になりそうです。
労働者にとっては嬉しい最低賃金引上げとなりますが、その一方で、中小企業にとっては今回の最低賃金の引き上げが大きな負担となっていることもまた事実です。
コロナ禍では労働者ばかりではなく、雇用側となる中小企業の安定も大前提とされています。さまざまな状況を踏まえた雇用先の選択が今後は重要なポイントとなります。
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まとめ
今回は、2002年以降最大の最低賃金引き上げとなる、全国の最低時給について適用前(現行)と適用後を地域別にまとめてみました。
労働者にとっては嬉しいニュースではあるものの、最低賃金が引き上げられたことで正社員での応募が殺到し、これまで以上に就職者のスキルが求められるようになるでしょう。
そうなると、労働者側の働き方や働く場所をより一層検討する必要があるでしょうし、ますます厳しい状況になってくるかもしれません。