コールセンターというと、「たくさんのスタッフが電話で話している広いオフィスで働く」というイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。しかし、最近のコールセンターには在宅でできる仕事も増えてきています。在宅勤務には多くのメリットがあるので、興味がある人はチェックしてみるとよいですね。 そこで、コールセンターの在宅ワークがどのようなものなのか、その特徴やメリットなどを見ていきましょう。
コールセンターの在宅ワークってどんな仕事?
在宅でのコールセンターの仕事は、通常のコールセンターの仕事と大きな差はありません。最も大きな違いは働く場所で、会社ではなく自宅で電話応対を行います。では、どんな仕事をするのでしょうか。まず、仕事は大きく「インバウンド」と「アウトバウンド」に分けられます。「インバウンド」とはお客様がかけてくる電話に応対する業務のことで、通信販売やカタログ販売などの注文の受け付け、「テクニカルサポート」と呼ばれるパソコンの操作案内などが代表的な仕事です。もう一方の「アウトバウンド」とは、こちらから電話をかける仕事で、主に、企業や個人に対するアンケート調査や営業販売などがあります。誰かをサポートする仕事がしたい場合はインバウンドを、何かを調べたりアピールしたりするのが得意という場合はアウトバウンドを選ぶとよいかもしれませんね。ちなみに、インバウンドは時給制の仕事が、アウトバウンドは出来高制の仕事が多くなっていますので、こちらも仕事を選ぶ際の参考にしてください。 コールセンターの在宅ワークを始める場合、自分で働くための環境を整えたりツールを準備したりする必要があります。まず、環境ですが、お客様の話をしっかり聞き取るためにも静かな部屋を用意することが大切です。自宅にいると玄関のチャイムや電話のコール音など、さまざまな生活音が聞こえます。洗濯機の回る音や子どもの泣き声、部屋によっては、近隣の住人の話し声や車の走行音などが聞こえてくることもあるでしょう。これらは電話の声を聞き取りづらくするだけでなく、お客様に不快感を与えることにもつながりかねません。トラブルの発生を防ぐためにも、慎重に部屋を選んだり騒音対策をしたりするのはもちろん、家族が一緒に生活している場合は理解や協力を得ることも大切です。 次に、ツールについて見ていきましょう。必要なものとしては、「パソコン」や「ヘッドセット」などが挙げられます。在宅でのコールセンター業務では、電話機ではなくパソコンを通して応対することがほとんどです。パソコンは個人で用意しなければならない会社が多いようですが、持っていない場合は貸し出しをしてもらえないか問い合わせてみるとよいでしょう。同時に、インターネットがつながる環境を整えておくことも忘れてはいけません。会社によっては、Wi-fiは不可だったり、光回線が必須だったりと、条件が設けられていることがあるため、事前によく確認しましょう。「ヘッドセット」とはイヤフォンとマイクが一体化したもので、パソコンに接続して使います。備品として貸与してくれる会社もありますが、自分で準備しなければならないケースも少なくありません。形も値段もさまざまなものが家電量販店や通信販売などで購入できますので、自分に合ったものを選ぶとよいでしょう。基本的に、パソコンとインターネット環境が整っていれば、ほかに準備するものも少なくてすみ、気軽に仕事を始められそうですよね。 コールセンターの在宅ワークにはスキルや職歴を問われない仕事が多く、未経験者でも始めやすいことも特徴です。その分、しっかりした研修制度を設けている会社を意識して選ぶことが重要です。パソコンを使ったテレビ電話などで研修を行ってくれる会社ならば、自宅から離れる必要もありません。求人に応募する前に、条件だけでなく、研修の有無やその方法などもきちんと確認しておきましょう。
在宅勤務でコールセンターの仕事をするメリット
在宅でコールセンター業務を行うことには、たくさんのメリットがあります。最も大きなメリットとして挙げられるのが、自宅で仕事ができるという点です。通勤の時間が必要ないため、家事に時間をかけたり仕事の時間を増やすことができます。休憩時間や手の空いたときに家事や育児をするなど、時間を効率よく使うことも可能です。毎日、満員電車に乗ったり遅刻の心配をしたり雨対策をするなど、通勤に伴う疲労やストレスとも無縁です。また、台風など悪天候のために出社できず、収入が減ってしまうということもありません。そのほか、ランチや飲み会にかかる外食代やスーツのクリーニング代などを節約できるのも在宅ワークの良いところです。仕事にかかる余計なコストを上手に抑えることができれば、手元に残るお金も増えていくことでしょう。 一般的に、コールセンター業務の給与は、ほかの在宅ワークより高めです。そのため、しっかり稼ぎたいという人にもピッタリです。たとえば、企業や個人にアンケートをとる仕事の場合、アンケートを1件回収するごとに1000円前後の報酬がもらえるものもあります。営業の電話をかける仕事では、契約が成立すれば数万円など高額な報酬がもらえるものも見られます。そのため、自宅に居ながらにして、外で働くよりも高い給与がもらえる可能性も大いにあるのです。がんばり次第で報酬がアップする仕事であれば、よりやりがいを持って仕事ができそうですよね。 また、サポート体制の整った会社が多いため、初心者でも始めやすいこともメリットです。たとえば、仕事のマニュアルや「トークスクリプト」などの会話のお手本集を配付してくれたり、スタッフがお客様役になって実際の接客を想定したロールプレイングで会話練習を実施してくれる会社もあります。仕事で困ったときにチャットなどですぐに対応してくれるところもあります。そういった会社であれば、より安心して働けるでしょう。 さらに、家族を優先できることも大きな魅力です。子どもがまだ小さかったり、親の介護をしているなど、人によってライフスタイルはさまざまです。子どもが学校に行っている時間や、親をデイサービスなどに預けている間だけ働きたいという人も、在宅ワークなら時間を有効に使えます。家族の顔を見て「いってらっしゃい」や「おかえりなさい」が言えるだけでも、心に余裕が生まれ、前向きに仕事をすることができますよね。
考えなければならないデメリット
メリットがある一方で、デメリットもあります。在宅勤務は周囲に上司や同僚がいないため、緊張感やモチベーションを保つことが難しくなりがちです。休憩時間に仲間とおしゃべりをして気分転換をすることもできません。チャットなどの連絡体制が整っていても、ちょっとした仕事の相談がしにくいなど、コミュニケーションに物足りなさを感じる人もいるようです。ほかのスタッフの会話が聞けないためトークスキルが伸びないなど、仕事に関する技術が学びにくいことにデメリットを感じることもあるでしょう。 お客様と話しているときに、マニュアルにないことを聞かれたり、想定外のサービスを求められたりすることも珍しくありません。そんなとき、しっかりしたサポートが受けられないと仕事がスムーズに進まないことにもなりかねません。小さな疑問にもきちんと対応してくれる会社を選ぶことが大切ですね。 また、お客様は説明して納得してくれる人ばかりではありません。ときには強い主張や要求を持って接してくる人もいるため、イレギュラーの対応が求められることもあります。上司や先輩が側にいてくれれば心強いのですが、在宅勤務の場合はひとりで対応しなければならないため、心細く感じたりストレスがたまったりすることもあるでしょう。悩みを引きずらない心の強さや、自分なりに上手にストレスを解消できる方法を持っておくとよいですね。
どんな人に向いている仕事?
コールセンターの在宅ワークは自宅でできる仕事のため、子育てや介護を優先したい人はもちろん、病気などのために外で働くのが難しい人や、職場の人間関係が苦手という人にもおすすめです。また、空き時間を活用して稼げることから、学業が忙しくアルバイトがしづらい学生や、副業をしたい会社員にも向いているといえます。 パソコンとインターネット環境が揃っていればどこでもできるため、パートナーの転勤が多く定職に就けない人や求人が少ないエリアに暮らしている人も、仕事を持って働くことができます。ただし、会社によっては日本国内で仕事をすることを条件としているところがあるため、海外に転勤の可能性がある人や、現在、海外に住んでいる人は、雇用条件などをよく確認することが大切です。 また、人と話すことが好きといった能力や、コールセンターでの勤務経験、接客経験などのある人は、仕事に活かすことができます。正しい言葉を使えたり、気配りができたりといった能力があれば、お客様を不快にしたりトラブルを招いたりしがちな場面も上手に回避できるでしょう。会話をスムーズに運ぶことができれば、営業の契約なども取りやすいかもしれませんね。 ほかにも、パソコンやインターネットの知識やスキルなどが役に立つこともあります。パソコンの操作案内などの仕事を自信を持ってできますし、パソコンや回線にトラブルが起こったときにも対処しやすいですよね。
在宅勤務で手堅く稼ぎたいならぴったりの仕事!
自宅に居ながらお金を稼ぐことができるコールセンターの在宅ワーク。子どもの世話や親の介護のため自宅を離れることができない人や、ちょっとした空き時間を活用して稼ぎたいという人に向いています。パートナーの転勤などで退職する心配もなく、長期にわたって仕事が続けられることもメリットです。 時給制や出来高制など会社によって報酬体系はそれぞれ違いますが、自分のがんばり次第でしっかり稼げる仕事が多いことも魅力です。未経験でも可、年齢制限が無しといった求人も多く見られ、充実した研修制度やしっかりしたサポート体制の整った会社も多いので、誰でも気軽に応募できそうですよね。 家に居ながらにして手堅く稼げる在宅でのコールセンター業務を始めてみてはいかがでしょうか。