副業を始めたいと思っているけれど、会社にばれないか心配と考えている人も多いのではないでしょうか。社員の副業を認める企業は増えてきてはいますが、まだまだ禁止している企業の方が多数を占めています。では、ばれずに副業する方法はあるのでしょうか。
今回は、サラリーマンやOLが会社にばれずに副業を始めるための注意点について紹介します。なぜ副業がばれるのか、ばれないためにはどうしたらいいのか詳しくみていきましょう。
会社はなぜ副業を禁止するのか?
まず、本業に最大限力を注いでほしいからという理由があげられます。当然のごとく、自社で働いてもらうために会社は社員を雇いますから、万が一その社員が副業を始めて本業に支障をきたすようなことがあれば会社としては困ります。業務が滞り、会社の不利益となるのを避けることは会社からすれば当然といえるでしょう。業務が滞れば会社のイメージやブランドが崩壊するリスクもありますし、それが副業のせいだと知られればほかの社員が不快に思う可能性もあります。副業で何らかのトラブルがあった場合も、会社のイメージダウンにつながりかねません。このように、会社の利益やイメージが下がるのを避けるために、副業を禁止する場合が多いのです。
もうひとつの理由として、副業での収入が増えた場合に、単純に会社へのロイヤリティが下がるという理由があげられます。副業の方が本業よりも収入が多くなってしまった場合、会社に対する忠誠心や会社で働きたいという意欲が下がってしまう可能性が高いです。会社としてはロイヤリティが下がることはデメリットしかありませんから、副業を全面的に禁止している会社が多いのです。もし、禁止している会社で副業をして会社にばれてしまったときは、減給や降格、最悪の場合は解雇される可能性があります。
副業が会社にばれてしまう理由とは?
会社にばれてしまう理由として、特別徴収税額通知書があげられます。特別徴収税額通知書とは、管轄の都道府県より会社に送られてくる納税通知書のことです。この通知書には「主たる給与以外の収入がある人」、つまり本業以外に収入がある人に対してチェックをつける欄があります。そのため、副業をしている人は、この欄にチェックがついてしまい会社にばれる可能性があるのです。
このほかに、意外と多い理由がネット上での実名公開です。インターネット上でネットショップの運営などをしていて商品の販売者となる場合、「特定商取引法に基づく表記」によって、販売者の住所、連絡先、運営者の名前などをすべて明記しなくてはなりません。運営者の名前などは必ず戸籍で認められている本名を記す必要があるため、会社の同僚や知人にばれてしまう可能性があるのです。副業がばれるのは、主にこの2つのうちどちらかがきっかけとなっているケースが多いです。
副業を会社にばれないようにするためには?
副業を会社でばれないようにするためには、まず副業先での収入について税務署で確定申告を行うことが重要です。確定申告をすると会社にばれるのではないかと不安になるかもしれませんが、そもそも年間20万円以上の副収入を得ているのに確定申告を行わないのは違法です。確定申告をしないせいで税務調査が行われてしまうと、結局は会社にばれてしまうことになります。忘れずに、毎年行うようにしてください。
住民税については、普通徴収にすることが重要です。基本的に、確定申告や所得税の支払いなどは本人と税務署だけのやり取りで、会社に通達がいくことはありません。ただし、住民税となると話は違ってきます。住民税は税務署から市区町村に通達が行くと、そこから会社に確定した住民税額を通知します。このときに、送られてくるのが特別徴収税額通知書です。この通知書は住民税を給与から天引きするためのものなので、自分で納付する普通徴収に切り替えることで会社に通達が行かなくなります。
普通徴収にするには、確定申告書にある「副業分の住民税の納付書のみを自宅に送付させる」の欄で「給与から差引き」となっているのを「自分で納付」に〇をつけるだけです。この方法は住民税を把握させないための合法的な手段であるため、切り替えたからといって何かトラブルが起こるということはないので安心してください。ただし、この方法を行っても絶対にばれないというわけではありません。なぜかというと、多くの都道府県で自治体の税務処理をスムーズに行うために、「自分で納付」に〇をしていても特別徴収として扱われるケースが多くなっているからです。普通徴収にしていてもばれる可能性があることを頭に入れておきましょう。
会社の就業規則を確認しておこう!
サラリーマンやOLが副業を始める際には、まず会社の就業規則で副業が禁止されているかどうか、禁止されている場合にはどんなペナルティがあるのかを確認しておくことが重要です。副業は絶対にばれないということはありません。副業を始めるのであれば、会社にばれるリスクがあることを考慮したうえで始める必要があります。また、確定申告のやり方や本業を疎かにしないように気をつけることも忘れないようにしましょう。